InstacartのIPOが食品配達の枠を超えてデータと広告に注目

人気の食品配送会社であるInstacartが、Nasdaqに上場する予定ですが、投資家たちは従来の配送サービスに賭けるわけではありません。代わりに、Instacartのデータと広告事業に焦点が当てられ、それが同社の重要な収益源となっています。Instacartは長年にわたり広告部門を拡大し、顧客から収集したショッピングデータを活用してきました。この戦略的な進化により、IPOが注目を集めており、マーケットの範囲内でも高い価格で設定されています。

このIPOは、食品配達業界だけでなく、消費者データを収益化しようとする他のスタートアップ企業にとっても先頭を切るものとなるでしょう。また、消費者がオンライン食料品の購入にどれくらい早く移行しているかも示唆してくれます。Instacartの主なビジネスは、消費者を独立請負業者とつなぎ、食料品注文を満たしていますが、同社は収益の多様化にも積極的に取り組んでいます。2017年には、消費者ブランドがアプリ上でクーポンを使用して製品を宣伝できる「Instacart Ads」を開始しました。現在、広告はInstacartの収益の約30%を占めており、従来のショッピング購入からの手数料よりも高い利益率を提供しています。

しかし、Instacartの成功はまだ消費者がオンライン食品の購入を受け入れることに依存しています。現在、オンライン食料品の購入は全体の12%にしか達していません。パンデミックは配送サービスの普及を加速させましたが、多くの消費者はまだ自分で食料品を店舗で選ぶことを好む傾向にあります。Instacartや他の配送アプリは、店舗の在庫に対する限定的な可視性や商品の代替が必要なことなど、まだ課題に直面しています。また、物価上昇により、消費者は店舗で買い物をするか、小売業者特定の配送サービスを利用することを正当化するのが難しくなりました。

これらの課題にも関わらず、Instacartは広告事業で良い位置に立っています。ブランドはますますターゲット広告に興味を持っており、オンラインマーケットプレイスは広告の効果を測定し、洞察を提供するために適しています。Instacartは、スポンサード製品やビデオからの直接ショッピング、アプリ内のディスプレイなど、広告オファリングを拡大しており、小売業者が広告配置から洞察を得るためのエンタープライズプラットフォームを提供しています。CEOのFidji Simoが2021年8月に入社して以来、同社のデータ駆動型広告への注力はさらに強まっています。

Instacartやマーケター全体の究極の目標は、広告が利益と増加した販売を生み出すかどうかを判断することです。この点で、消費者の行動や購買パターンを理解することが重要です。しかし、より大きな課題は、パンデミック後も消費者行動を変えてオンライン食料品の購入を受け入れることです。Instacartや同様のプラットフォームは、消費者に完全に信頼され、技術を活用することを促すために、パンデミック後の世界において困難な戦いを強いられています。

出典:Bloomberg (URLは提供されていません)

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